三条で出会った湯町窯のピッチャー


 お定まりの三条から御幸町通をちょっと下って尾杉商店へ。ここは金継などで手直しした器が手頃な価格で手に入るというお楽しみもある店だ。その後姉小路まで上がり、富小路のちょっと手前にある「SHIKAMA FINE ARTS」に。数日前、気になりながらもぴったり閉められた大きな木の扉を潜る勇気がなくて通り過ぎた店。今、ちょうど本屋に並んでいる『Hanako WEST』に掲載されているのを見つけ、連れ合いが一緒の勢いを借りて足を踏み入れてみた。


 小さな店だ。こだわりのアンティークが、ほんの少しだけ並べてある。イギリスのバーナード・リーチ工房で作られたというピッチャーやマグカップにはかなりの値段が付いている。
 その隣に並んでいたきれいな玉子色のピッチャー、値札を見て驚いた。一桁小さい! 聞けばバーナード・リーチが取手の付け方などを指導した、という民藝とも所縁の深い山陰の「湯町窯」の作品だそうだ。僅かなニュウと引っ付きがあるため、4,000円。迷わずお買い上げ。そのまま窓辺にあしらって良し、花を生けて良し。ちょっとした疵もこの値段なら納得だ。



 それから四条まで下り、バスで壬生へ。朱雀第一小学校手前の坊城通にある「幾一里」を訪ねた。
 ここは程度とセンスの良いアンティークが揃っている。居合わせた顔馴染みらしいお客さんは、漆職人の仕事道具だったという板やお盆をさかんに物色していた。焼き物のみならずこうした民芸品の類もあって、見るだけでも楽しめる店。街中からはちょっと離れているけど、また機会を見て覗きに来よう。