遊び? いえいえ。


 家族が「元気」だ。姑は一昨日からロシア8日間の旅に出掛けており、モスクワからサンクトペテルブルグへと足を伸ばす予定。明日からは母と妹がソウルに出掛ける。私も来月にはポルトガルへ行って来るけど、こうして見廻すと、やっぱり女性が元気だなぁ。


 男ってもんはとかく『俺ぁ仕事があるからさぁ。』なんて嘯いているけど、同じように仕事で超多忙であろうとも、女は“他の事”にもわりと気を配る。自分の人生を取り戻すため、外の世界とのバランスを失わないために、お洒落、カルチャー、生涯教育、資産運用、グルメ、旅行……自己弁護にも使ったことのあるフレーズながら、実際「遊んでるようだけど、真剣に生きる過程のワンシーン」としての仕事以外の人生もまた、『大切にしなきゃ!』と思ってる人が多いと思う。
 対して男性は、あくまで一般論だけど、子供の頃から家族に大事にされ、家の中ではいつでも自分の存在意義を感じることができる。仕事さえしていれば、生活面のあれこれは母親や連れ合いが何でもやってくれて、それが当たり前だと思っているし、事実、それ以上を求められるシーンもまた少ない。
 そんな風に生きている男には、「オルタナティブの人生」について考える柔軟性が欠けがちだ。一言で括られる“遊び”もまた、人生には欠くことのできない要素だ、ってこと、そして“遊び”には暇つぶしや刹那的な愉しみだけでなく、感性を磨いたり人生を豊かにするチャレンジって面もあって、これはこれで結構努力を要するものなんだ、ってことが、てんで解ってない輩が多いんだ。


 別に男性批判をしようと思ったわけじゃないよ。ただ男の生き方には“井の中の蛙”に陥りやすい落とし穴が仕掛けられてるよ、って言いたかっただけ。男の子の親御さんはその辺、“他人事”と思わずに、自分の「○○ちゃん」が逞しくも豊かな人生を送れるよう、人生の先達としての教育をしっかりやってもらいたいね。