クラッシックコンサートの愉しみ(Sala SãoPaulo)


 今夜は連れ合いは出張で不在。私も家でおとなしくしているつもりだったんだけど、ふと“やってみるか?”と一丁気合を入れる決心をし、Sala SãoPauloでのコンサートのチケットを買っちゃった。
 サンパウロに暮らし始めて以来、ほんの数ヶ月前まで、なかなか自分の愉しみを見つけられなかった。ところが最近、Sala SãoPauloでコンサートを聴くことを覚え、何度か足を運んでいる。最初は主人とマイカーで行ったのだが、私がナビをして行きはスムーズに辿り着いたものの、帰路、やっぱり道に迷い、たまたま主人の土地勘のあるエリアに出られたので事無きを得た。友人と出掛けた際は何かあってもいけないと、タクシーをチャーターした。そのうちいつか、一人で車で行けるようにしないとなぁ、と思ってはいたのだが、21時スタートのコンサートは長引くと終演が23時を過ぎる。会場近くはあまり治安の良い土地柄ではない上、私が普段車で移動するエリアでもないため、ひとたび迷ったらちゃんと家に帰って来られる自信が無い。しかし、『そうやって引っ込んでいたら何時まで経っても“殻を破れない”ゾ!』と決断した次第(こんなことで殻を破らなくてもいいのかもしれないけどね)。
 “やらなくてもいいけど、冒さなくてもいいけど”っていうことをやるのが「トライアル」だよね。果たして無事に戻ってこられるのかしら??


 ……と心配したものの、ただいま無事に戻ってまいりました!! 行き帰りとも“ちょこっと”ずつ間違えたけど(行きは「最大の難関」を無事クリアーした直後の心の隙を突かれた。。)、幸いすぐにリカバリー出来る範囲で、往復とも運転時間20分、ドアtoドアで25分ほどで、まずまず合格〜!


 さて、Sala SãoPauloは、本格的なクラッシック専門コンサートホールで、ソロカバナ線の鉄道のターミナルに併設されているというユニークな造り。ロビーから、ガラス窓の嵌った壁ひとつ隔てて発着する鉄道が見える。今日は自前の弦楽演奏家集団を率いた世界的バイオリニスト、ギドン・クレメールの来伯コンサートだった。一般的なオーケストラのコンサートと違い、コンパクトな編成で気心の知れた仲間たちで作り上げたステージらしく、クラッシックの名曲に捉われず、映画音楽あり、タンゴあり、そしてちょっと気の利いた演出あり、と、なかなかに楽しめるショーに仕立ててあった。
 連れ合いであれ友人であれ、誰かと一緒だと多少なりとも“遠慮”するものだけど、今日は伸び伸び。したい放題楽しんじゃった。まずちょっと贅沢してCから始まる飲み物を一杯(昨今は規制が厳しくなって、このサンパウロでさえ自粛、ということになっている……けどね。)、幕間にはジュースと美味しそうだったお菓子を少し、それにカフェ・ジーニョ・コン・レイチ(エスプレッソにミルクを入れたようなコーヒー)で仕上げをして、満足して帰宅した。
 あ〜、一人で行けるとなると、やっぱり車が欲しいなぁ。。(今日は主人が出張だったから車が使えたのだ!)