インテリア・コーディネートの愉しみ


 今年のサンパウロは異常に寒い。これほど寒かったことはいまだかつてなかった、とブラジル人も肩をすくめる。ようやく暖かくなったかと思ったのに、またしても窓が鳴るほどの強風が吹いたと思ったら、この冬何度目かの強い寒気が押し寄せて来て、もう数日、腰を据えて居座っている。冬、といっても、例年なら8月には暖かい日も多くなり、9月ともなれば夏さながら、という時期だ。そして9月ももう残すところ数日。日本ですら5月末〜6月初旬ともなれば、カーディガンを羽織る程度だろう。サンパウロの9月末にとっくりセーターと厚手のセーターを重ね着している、この不思議……!

 
 こんな日は外出する気にもなれない。いや本当は、天井が高く暖房器具もない部屋にこもっているより、外に出たほうが暖かいのだろうけれど……。ともあれ、今日はインテリアの話題。
 
 入居したとき、Sala(応接間兼、居間兼、食堂のメインルーム)併設のトイレには鏡すらなかった。むき出しの古びた壁紙だけの「空き部屋」で、使う気にもなれず、お客にはHóspede(逗留者)用のバスルームを使ってもらっていた。
 ところがしばらく前に蚤の市で手頃な鏡を見つけ、これを掛けてみたらイメージが膨らんだ。コンセプトはアイランド・リゾート、かな。カリブの島に旅したとき求めた潮騒の聞こえてくるようなフォトフレームや、アジアンテイストの雑貨を取り合わせて、あれこれ楽しみながらセットしてみた。

こんな楽しみがあるのも、“外国仕様の住居”ならでは。因みにこの鏡、120へアイス(6000円)ほどだった。高い? 安い??