とりどり! 住まいの雑誌



 明日は大統領選挙の投票日、ブラジル国民は選挙に行かなきゃ「ならない」。投票しないとペナルティだそうだ。この週末は嫌疑を掛けられている者までも逮捕は保留するとかしないとか。となれば期に乗じる輩も出て来ないとも限らないので、あまり出歩かないよう言われている。日頃から不可思議なことが多々あるので、今更驚かない。何せ、母の日や父の日に収監者を仮釈放するお国柄だ。そりゃ大統領選ともなれば、犯罪のお目こぼしも“想定内”というわけ。しかも今日は夕刻から雨。スーパーで買い物をして、ついでに雑誌を数冊仕入れ、家でおとなしくしていることにした。


 最近気付いたことだけれど、ブラジルでもインテリアやエクステリアの雑誌は充実している。しかもページを繰ってみると、日本の居住感覚やレイアウトとはコンセプトからして異なっている部分があって興味深い。
 例えば日本では、『洗濯機は浴室の近く、洗い上がった洗濯物は籠に入れて物干しまで持って行く』のが常識。しかしこちらには裏仕事用スペースとでも言うのかな、セルビッソという場所がキッチンの裏手に設えてあって、洗濯機や乾燥機、アイロン台、掃除道具が置かれ、物干しもこのスペースにある。日本と違って外干しは一般的じゃない。そうすると当然家の造作も違ってくる。
 また、私たちのアパルタメントには応接間もない。リビングダイニングをどーんと取って、居間、食堂のみならず応接の機能まで持たせた“サーラ”が家の顔だ。つまり、サーラ・寝室・キッチン・セルビッソそしてバスルーム、というのがミニマムの造りということになる。
 

 広いサーラをどう設えるか、寝室やキッチン、バスルームをどんなテイストでまとめるか――マテリアルからグッズまで、日本の感覚とはちょっと違ったエッセンスを、様々な雑誌が垣間見せてくれる。無論、個々のスペースもそれぞれがゆったりサイズだから、自然、家具の大きさも日本より大き目のものが多い。
 さらに、気候や空気の良い所でゆったり過ごすのがあこがれのライフスタイルだから、エコハウスやリゾート風建築の紹介も多い。いつか家を持つなら小ぢんまりしたマンションで、と思っていたけれど、サンパウロに住むようになってすっかり意識も変わった。“やっぱり自分でデザインした使い勝手の良い家を建てなきゃ!”となったわけだ。今の日本の住宅事情では相当郊外になっちゃうだろうけど……。


 な〜んていろいろ考えながら、カラフルでエキセントリックでスタイリッシュな家具やモデルルームの写真を見ていたら、模様替えをしたくなっちゃった。でも、そもそも考え抜いて配置したものだから、思い付きで動かしてもそう簡単にしっくり収まるはずもない。いくつかちょっと動かしてはみたものの、腰を痛めそうになって今日のところは中途で断念。でも気分は少し変わったから、効用はあったというところかなぁ。。