水漏れは“所嫌わず”


 このアパート、築20年だか25年だか不明だが、水周りは相当ガタが来ているらしい。ひとつ修理が終わって安堵しても、また次の不具合が起きる。しょっちゅうどこかしらの水道管がイカレては、配管工のお世話になっている気がする。


 一度は元栓のひとつの金具がヘタって水が噴き出した。いくつか分岐しているうちの温水器を通る配管だったため、この夜はシャワーが浴びられずに往生した。そうそう、水道の元栓も3つ4つあって、どれがどれだかいまだに良くわからない。同じ浴室で使う水でも、洗面とトイレとシャワーの配管はみんな別々だ。


 どこかのアパルタメントで不具合が起きて、修理するために水を止められると、“あ、ここは出るけどこっちは出ない……”ということになる。いちいち『何時から何時まで、この配管が断水します』とアナウンスがあるわけでもないので、気が付くとトイレが流れなかった、ということも!


 先だって、客用のシャワールームの配管を修理したときは1週間掛かりだった。それもうちの水漏れじゃない。どうも壁面内部の配管が腐食して漏水を起こし、階下の部屋に被害があったらしい。タイルごと壁を壊して中の水道管を取替え、また壁を塗ってタイルを張る。実は全く同じ部分の修理を半年前に終えたばかりだ。こんなことやってたらキリがない! って感じだ。


 昨夜、主寝室の浴室のトイレ周りで水漏れが発覚。“がーん……!”とガックリ来たものの腹をくくり、工事に備えていたのだが、実は今度はうちの水漏れじゃなかった?! 3階上で漏水しているらしくて、下の部屋が軒並み水漏れに遭っているそうだ。そしてまたトイレの水が止まってる。そりゃ、トイレは3つあるとはいうものの、ほら、“枕が替わったらよく眠れない”って言うでしょ? あれと一緒で、トイレもいつものとこでないと、ねぇ。。


 配管工が入るときは、基本的にはやっぱり家にいなきゃならない。昔アパート住まいしていたときのように、大家さんに“ヨロシク”という手は使えない。分譲されたアパートに自ら入居している人もいれば貸している人もいる、ということなので、当たり前だけど管理人がマスターキーを持っているわけじゃないからだ。
 業者は大抵朝9時頃から午後5時くらいまで仕事するのだが、一日掛りでない日は作業が終われば去っていく。こちらの外出の予定など鑑みてくれるわけではないし、1日では終わらないケースも多いため、本来なら防犯上、業者の入っている時間には家を空けないのが原則とはいうものの、そうとばかりも言っていられない。先般、作業最終日が旅行の期間に掛かってしまったときには、ファシネーラさんの発案で、その週だけ工事日に合わせて彼女に来てもらい、家にいてもらうことにした。ファシネーラさんにも“不在時に家に入ってもらいたくない”というのは人情ながら、彼女たちは生活が掛かっているため、どんなときもまず休みなしで来たがる。“お金は払うから来なくていい”と言うのは自由だけど、彼女たちだって仕事してお金をもらう方が気分良いでしょう? ある程度人間性が確認できたら、余り褒められたことじゃないけど裏口の鍵を預けて留守中にも来てもらうわけだ。


 まあ何せ、工事が入る、というのは面倒なもの。断水も悲しい。。古いアパートは考えものですゾ!