久しぶりの東京


 月曜に里帰りして今夕帰宅。半年振りの帰省だったが、ゆっくり両親と話し、祖母を見舞い、寛いだ心持の5日間だった。
 祖母は元気そうだったが、いつ何があってもおかしくない日々が続いていることに変わりはない。5年前脳梗塞を患い、その後大腸の悪性腫瘍切除を経た父も、昨今物忘れが頻発するようになり、母が付きっ切りで世話を焼いている。今に始まったことではないが、一日おきに祖母の様子を見に出かけ、その合間を縫って父の病院通いに付き合い、主婦として家を切り盛りしている母の負担は相当なものだ。それを、持ち前のエネルギーと明るさで乗り切っている母には、ただただ脱帽するのみ。家族一同、感謝に堪えない。“母”というものはこれほどまでに……とつくづく思う。親の介護、夫の介助、家族の世話――自分が老いている暇もない忙しさだ。
 まだ今のところ、何とか母一人で頑張ってくれている。何か事があったら、いよいよ私たち姉弟も、介護の局面を迎えることになるのだろう。『今暫く・・・』――この穏やかで静かな日々に心から感謝しつつ、本当に今暫くの安穏を、享受できる喜びに感謝したい。