三井寺探訪



 バスと地下鉄、市電を乗り継いで三井寺へ。
 市営地下鉄東西線は京阪京津線に乗り入れていて、浜大津まで行ける。途中地上に上がって専用軌道を走っていた電車は、ひとつ手前の上栄町駅からは路面電車になるという不思議な路線だ。浜大津で京阪石山坂本線という市電に乗り換えて一駅、三井寺で降りる。
 駅からは暫く琵琶湖疏水に沿って歩く。疏水の水は滔々と京都に向かって流れ、谷はどんどん深くなっていき、やがて水門からトンネルへと流れ込んでいく。



 三井寺に到着すると、早速長い石段が待っていた。境内向かって左側に上り詰めたところにある観音堂までの階段だ。さほど長くはないのだが、結構きつかった。でも、ここからは琵琶湖が遠望でき、とても気持ちがよい。また、大津絵の扁額が掛けられていたりして、興味深く拝観することができた。



 郵便申し込み制で見学できる勧学院と光浄殿客殿は今回はパス。それでも広大な境内を一回りすると、面白いものがいろいろあった。
 弁慶の引き摺り鐘と呼ばれる大鐘があったり、天智・天武・持統の三天皇の産湯に使われたという井戸(閼伽井屋)が残っていて、しきりにゴボゴボと湧いている様子、その脇には大友皇子の家居の跡とされる蓬莱の石積が残り、現存する日本庭園の最古の遺跡といわれているそうだ。


 そんなこんなで午後からおっとり刀で出かけた琵琶湖西岸への小さな旅も、山門脇の蕎麦屋で締めて無事京都へ帰還。暑い暑い一日だった。