西本願寺の国宝建築を見る


 御室の桜も見頃と聞くのに、寒い一日であった。この日、西本願寺では、親鸞750回大遠忌法要のプレイベントである国宝建築の公開が最終日を迎えた。
 公開時間は12時〜15時。206号系統で七条堀川まで出て徒歩で向かうと、時刻はちょうど12時少し前、もうかなりの人数の行列ができている。しかしここは回遊式庭園を通り抜けながらの外観のみの見学であり、写真撮影もNGのため、動き出したら人の流れは案外スムーズだ。
 聚楽第から移築したとされる楼閣は、金閣銀閣と共に三名閣と並び称されるだけあって優美にして剛健。様々な用途を持たせた部屋をパズルのように組み合わせ、当時の建築の粋を集めて美しい楼閣にまとめ上げたのであろう。非対称な造りのアウトラインは、ときに主張し、ときに譲って、リズミカルな調和を見せている。第二層外壁には、修復時に復元されたという三十六歌仙の絵が鮮やかだ。往時は池の中に建てられていたそうで、今も舟入の間に続く階段が見て取れる。庭園を池に沿って歩きながら眺め、築山の上から眺める。聚楽第の一角に花を添えていたであろう楼閣は、今、静かである。


 続いて書院。こちらは内部を巡りながら見学することができ、部屋部屋を飾る障壁画や天井画に目を奪わる。日本最古といわれる能舞台もある。
 経蔵内部の八角堂は回転するため「転輪蔵」と呼ばれているそうで、傳大士と脇の二童子の像に加えて、八天像が安置されている。
 最後に国宝の唐門、重文に指定されている隣接の龍谷大学校舎を見て、西本願寺を後にした。


 本願寺向かいには石山合戦の際、兵糧として重宝されたという所縁の菓子、松風の本家とされる亀屋陸奥があり、ここで一番小さいのを買おうと思っていたのに、周りの奥様方の勢いに載せられてなぜか「徳用袋」を購入。要するに切り外しの規格外品の詰め合わせ。食べきれないかと心配したが、ぽつぽつ摘んでいると案外減るもの。夕食後の抹茶の良い友になった。
 

 それからビックカメラまで出向いて懸案の双眼鏡を購入。奈良通いの際、仏像の細部を見たり、明日香での壁画見学が当選した場合に備えての準備だ。
 ほとんどVixen(ビクセン)の単眼鏡を買うことに気持ちが決まっていたのに、ついニコンの双眼鏡「遊」と見較べて、結局「遊」に軍配。値段は倍ながら、両眼だと視野が確保されてやっぱり見易い。久々に買い物らしい買い物をした気分になった。



 それからは、伊勢丹地下でお気に入りのTIP TREEのブラックカラントのジャムを購入(これくらいのもの、近所のスーパーに置いて欲しい)、地下鉄で四条まで移動し、ACTUSで台所用洗剤(ドイツのFROSCH)を買う。これ、500mm入りで945円。4倍以上に薄めて使うので1回当たりの単価は安くなるとはいうものの、いつも手を出すのが一瞬ためらわれる。
 ACTUSっていうのも、一見素敵なものが見つかりそうな匂いがするのに、実際にはほとんど買うものがない店だなぁ……。いつもうろうろするんだけど、ほとんど何も買わずに出て来る。もう一工夫、して欲しいな。。