パラチへ①


 海と植民地風の街並みの美しいパラチの町へ、1泊で出かけてきた。行きはアイルトン・セナから早めに海岸山脈を下り、海沿いを進む道を取った。ちょっと迷いながら休憩含めて5時間。結構疲れました。
 話に聞いた通り、でっかい石のラフな石畳がトレードマークの町。何しろ小ぢんまりしている。差し渡し1キロほど? 数時間で見て廻れてしまうほどの規模だ。旧市街地は、とてつもなく太い鉄の鎖で結界されていて、この中は歩行者以外、馬車と自転車しか通れない。コロニアル風の建物が軒を並べ、石畳と相俟って、一種独特の風情を醸し出す。



 


 18世紀、内陸部で盛んに金が採掘された時代、その金の積出港として栄えたという町だが、同じく同時代に金採掘の基地として栄えたオーロプレット同様、保存された建物のほとんどはレストランや土産物店になっている。初日はドライブの疲れを癒しつつ、軽く散策して遅めの昼食を取り、暮れなずむまでホテルのプールサイドで一杯やりながら寛ぎ、夜はゆっくりライブに耳傾けながらの食事を楽しんだ。
 夕刻まで人通りの少なさが目立ったが、ボート遊びの人々が海から戻った後、街は一気に活気を取り戻した感がある。夏時間のためほとんどの店が11時近くまで開いていて、たくさんの観光客たちが結界された安全な街の中をそぞろ歩いている。街のあちこちから生演奏が聴こえてくる。私たちはその中で、珍しくギターのみならずサクソフォーンの優しい音色の響いてきた店に決めて、食事と音楽を楽しんだ。


 


 パラチで一番印象深かったことは、どの店で食べた料理も大変美味しかったこと。バイアのムケカが味わい深かったことも思い出に残っているが、それに負けず劣らず、海産物の出汁の効いた料理の数々に、久しぶりに舌鼓を打った。
 ホテル・サンディのジュニアスイートは、行ってみてビックリ! 屋根裏部屋を改装したみたいな造りで屋根の傾斜もさることながら天井がやたらと低く、窓からの景色も無くてひととき絶句。フロントで他の部屋を見せてもらった所、普通のアパルタメントの方が断然居住性に優れているとわかり、その場で部屋を変えてもらった次第。高けりゃ良い、ってもんでもないのね。。