市バス活用法


 正月三ヶ日。初詣客の多さもさることながら、2日の初売り以降、多くの店舗が3日も含めて平常通り営業するようになったことを受けて、街の人出も凄いものがある。大丸、藤井大丸、高島屋といった四条通界隈のデパートから寺町・河原町といった商店街も、不況どこ吹く風といった賑わいだ。しかし手許を見ると、ショッピングバッグを提げている人は多くはなく、持っていてもせいぜい一つ二つ。セール会場は賑わっているが、一人ひとりが買っている物もせいぜい2〜3点で、レジが一杯になるほど山盛り買っている人は見かけなかった。この辺が、世相を如実に現している。


 さて、京都に住み始めて以来、車を使わない我が家ではバスが足代わりだ。市内均一区間内は220円、往復すると440円は決して安くない。乗り継ぎをするとこれにさらに上乗せされるわけだから、出掛ける際はルートを考えてバス路線を選んでいる。
 東京のバスカードは5000円のプリペイドに5850円の金額が入っているが、こういったお得なバスカードが京都には無い。いや、あるにはあるのだが、選び方・使い方にちょっとしたコツがいるのだ。引っ越したばかりの頃、こちらの人に尋ねてみたことがあるが、地の人というのは案外自分が利用する部分だけの情報しか持ち合わせていないようで、さっぱり要領を得なかった。
 共通バス回数券は市バスのみならず各社のバスで使えて、上積み分も結構あり、5000円だと26枚綴りで5720円分とお得。太秦は均一区間外だったので、10円玉専用の小銭入れをカードケースと一緒に持ち歩きながら乗っていた。『こっちの方がもっと得だろう!』と日中専用、均一区間専用の回数券に手を出したら、消費するのにえらく時間が掛かってしまった。16時降車まで、均一区間内使用のみ、という決まりだから、区間外に住んでいると案外使えないのだ。
 市バスには一日券というのもある。観光客のみならず地の人たちも、乗り継ぐことが分かっている外出時には大いに利用しているようだ。ただし、市バスしか使えない。
 バス・阪神・京阪・JR・京福など、何にでも使えるプリペイドもある。『スルッとKANSAI』。これは便利ながら、上積み分が全く無いカードなので、日々の使用には勿体無い。
 もうひとつ、『トラフィカ京カード』というのがある。こちらは市バス・市営地下鉄にしか使えない代わりに購入時に1割の上積みがあり、なおかつ市バス間の乗り継ぎ時には降車〜降車が90分以内の場合90円が、市バスと地下鉄の乗り継ぎ時には同日であれば60円が、それぞれ2度目の運賃から割引される。京都の住人としては一番使い勝手が良いカードかもしれない。
 結局、バスの往復時用には共通バス回数券、乗り継ぎ用にトラフィカ、私鉄・JR用にスルッとKANSAIICOCAPiTaPaといったICカードも含めれば、幾つ持ち歩くことになるやら……。交通関係ひとつとっても、京都というのは真っこと、一筋縄ではいかないのだ。


 そしてこの程、太秦にいた頃は京福を利用していた連れ合いがバス通勤になって、もっと凄い裏技があるのを知った。区間内のバス定期券を所持しているものと同道した場合、同行者は100円で乗れる、というもの! もっとも、一人では利用できないし、週末・休日のみにしか使えないのだが。しかし100円というのは半額以下。子供運賃より安い。これを利用しない手はなかろう。京都に市バス定期券を持っている知り合いのある観光客の方、週末にいらっしゃる際には是非その方を道連れに!