三十三間堂とWEST SIDE 33



 ここのところのうららかな日和に誘われるように、今日も散歩に出掛けた。連れ合いのバス定期券には本当に助かっている。週末のみにせよ、同行者も100円で乗車できるので、2人で出掛けても往復200円で済むのだから。


 まずは三十三間堂へ。学生の頃の修学旅行以来だ。ご本尊をはじめ1,000体を数えるという千手観音像や、国宝の28部衆・風神雷神などをじっくり見る。この長い廊下を、仏像の眼差しに見守られて歩くだけでも、徐々に気持ちが静かになっていくようだ。折りしも今日は涅槃会。午前中にはここでも法要が執り行われたことであろう。


 三十三間堂は南北に長い造りである。その西側の辺を大和大路に沿って入口(北側、七条通)からずっと下っていくと、『WEST SIDE 33』という鍛金工房がある。長らく有次で仕事をしていた寺地茂氏のアトリエ兼ショップだ。アルミや銅、真鍮などの板金を加工した、鍋やカトラリー、皿などが美しく並んでいる。丁度昨日、TVでこちらを訪ねる番組を放映していたこともあり、小ぢんまりした店内は数組の客で賑わっていた。
 以前、スフェラショップでアルミと真鍮の箸置きを購入したのだが、製造元はこちらの店だ。他所では在庫が無かったりするこの箸置きも、たくさん並んでいる(しかも、若干安い……!)。



 今回は鍋をひとつ購入したかったので、湯豆腐や鍋物、ちょっとした煮物にも重宝しそうな変形両手鍋を選んだ。持ち手が大きいので扱い易い。上部が広がっているために、嵩の高い葉物野菜も無理なく“しこたま”入る。出汁も適量で大丈夫だ。難は、ひと煮立ちした後、電熱器に移してしまうとなかなか煮えが付かないことくらいかな……。この点は熱を溜め込める土鍋や鋳物に軍配かも。でも、軽くて扱い易いこの鍋、“鍋物”はもとより、煮浸しなどの料理にとっても向いていそう。これからどんな風に活躍してくれるか、楽しみだ。