ガンデンデンの壬生狂言へ



 絶好の行楽日和ながら、昨日ゴルフに出掛けた連れ合いがマッサージの予定を入れており、ちょっと会社に寄る用もあるとのことで、今日は休養モード。
 それでもお昼から暫くは時間があったので、折しも開催中の京都三大念仏狂言のひとつ、「壬生狂言」を覗いてきた。21日〜29日までの毎日、13時〜17時半の間(最終日は18時〜22時の部もあり)毎日5演目ずつ上演される。有名な『炮烙割り』は各日最初の演目だ。私は在職中取材したことがあり、かれこれ15年振りの再訪となった。


 壬生寺に着いたのは13時40分頃。席は全席自由なので、早めに行って良い場所を抑えるべきだったが、今回は止むなく立ち見……と思ったら、雛壇状になっている観覧席の、柱で視界が遮られる部分は空いている。ひとまずそこへ入り込み、頃合いを見て私は見通しの良い通路の階段に、連れは柱の舞台側に陣取り、視界を確保。『炮烙割り』は見損ねたかと案じていたが、着いて暫くした頃に丁度並べ始め、豪快な炮烙落としを存分に見ることができた。


 二つ目はこれまた人気の『土蜘蛛』。半ばから後半に掛けて見せ場が目白押しの演目だ。土蜘蛛が次々と糸を撒くシーン、切りつけられての宙返り、舞台からの飛び降り、一瞬の早業のたすき掛け、そして最後は客席に向けて盛大に糸が撒かれる。この糸は厄除けになるそうで、連れはちゃっかり切れ端をゲット。やんやの大喝采で幕を閉じる。9日間の期間中、上演される日は限られているのでラッキーだった。



 次は『花折』、分かりやすい筋書きにユーモラスな仕草が笑いを誘う、楽しい演目だ。
 この頃になると、朝から天神市を冷やかした疲れが出たのか、うつらうつらと居眠りが……。空気も冷えて来たので、今日はこの辺りで切り上げ。

 
 残念ながら写真撮影は禁止のため、舞台写真はなし。また、この狂言は嵯峨大念仏狂言同様、台詞がない。「ガンデンデン」の笛・鉦・太鼓がBGMに流れるだけなので、あらすじを知っていた方が楽しめる。観覧席裏側の売店で解説書と並んで「壬生狂言詳説」という小冊子を売っているので、買って入ると良い。演目と演目の間は少し間があり、中座する人、空いた席に入る人、売店でお茶を買う人と、結構観覧席にも動きがあるので、混んでいても演目の変わり目に見易い場所に移れる可能性も高い。


 次は連休中に公開される千本ゑんま堂での大念仏狂言に出向く予定。こちらは台詞ありなので、また違った楽しみ方ができそうだ。