飛鳥路を行く




 晴天が続いている。今日もこの上ないお天気に恵まれ、絶好の行楽日和となった。日中は気温も上がり、着込んで行ったベストやコート、ストールは無用の長物に。
 朝8時半に自宅を出て、竹田で近鉄へ乗り換え、橿原神宮前で吉野行きに飛び乗って飛鳥に降り立ったのが10時半。レンタサイクル(半日ひとり1,000円)の手配をし、準備を調えて11時前に駅前を出発した。
 今日の飛鳥は人、人、人……。話に聞けば、西大寺平城宮跡方面も混雑を極めたとか。


 まずは石造物群から廻り始め、猿石・鬼の雪隠・鬼の俎板・亀石・石舞台古墳を経て橘寺へと進んだ。写真は橘寺の二面石や後半に廻った酒船石・亀型石像群を含めて石物一覧。










 橘寺では観音堂の六臂如意輪観音像(藤原時代)と、記憶が曖昧ながら確か往生院のご本尊である阿弥陀三尊だっただろうか、古いものではないのだが、その美しさが印象に残った。




 この時期、牡丹と石楠花がまさに見頃に。岡寺の奥の院への参道沿いは、一面の石楠花が見事。






 岡寺では、わが国最大にして最古の塑像観音と言われるご本尊の如意輪観音像の迫力もさることながら、記憶が定かでないのだが、確か美しい釈迦三尊像がおわしたような。







 飛鳥寺ではご本尊、飛鳥大仏に30年振りの再会、しばし対面。また、裏手にお祀りされている仏像の中にひっそりと佇む、前傾姿勢の勢至菩薩様がとても美しかった。
飛鳥寺では皆盛んに写真を撮っていた。お祀りされている仏像を写真に収めるのはいささか抵抗があったが、勇気を出して1枚ずつ撮らせていただいた。)






 最後に岡寺の石窟で出会った石仏と、飛鳥寺の石仏の静かな佇まいを……。





 帰路、飛鳥駅へ向かう途上、天武・持統天皇陵で古の都人に思いを馳せる。通りすがりに造り酒屋も見つけ、例の如くに利き酒して生酒を一本仕込んだのは言うまでもない。
 

 15時30分過ぎに飛鳥駅前に戻り、喫茶「コッコロ」で一休み。今日も強い陽射しの下、盛りだくさんの一日でいささかお疲れ。。帰りは橿原神宮前から京都行きに座ると、すっかり眠り込んでしまった。18時30分ごろ無事自宅に帰着。
 予報では明日も晴れとか。元気があれば遣唐使展に出掛けたいところだが、果たして起きられるかどうか。。




【メモ】
(1) 明日香は自転車移動が便利だが、平坦に見えて意外とアップダウンがある。だらだらの昇りや下り、急坂も。なれない貸自転車での移動には充分注意が必要。また、陽射しを遮る木陰などがほとんどないため、結構体力を消耗する。紫外線対策、帽子・手袋・サングラスなど、適宜準備しておくに越したことはない。

(2) 石舞台古墳近くではソフトクリームが美味しいが、目を引く古代米のソフトは案外新鮮味に乏しい。その中で美味しかったのは、あすかルビーという特産の苺を使ったソフト。

(3) あすかルビーは、岡寺の入り口近くの無人販売所や飛鳥駅前の物産館でも買える。また、今の時期、西村農場では苺狩りも。

(4) 古代のチーズとも言われる『蘇』は、飛鳥寺前の土産物店「大佛屋」での扱い量が多いと聞いた。しかし今日ばかりはそこでも売り切れ。狙っている向きは、早目にゲットしておくべし。。

(5) 店名は忘れたが、天理教の岡大教会斜向かい辺りに新しくできた和菓子屋さんでは、その場で頂く場合、お菓子の値段だけでお茶をサービスしてくれる。連れは2個、私は1個頂いて、しめて275円。これほど安い喫茶は初めて! と、連れの関心することしきり。。