『大遣唐使展』を観る



 前日の飛鳥自転車周遊の疲れが抜けきれず。よほど休もうかと思ったものの外は良いお天気。勿体なくて、身体を引き摺るようにして(そこまでしなくても、だけど。。)再び奈良へ。お目当ては国立奈良博物館で開催中の『大遣唐使展』だ。
 余力があれば東大寺戒壇堂に廻りたかったのだが、時間は中途半端だし、登大路は渋滞してバスは使えないしで、無理はしないことにした。夏に五刧院の五刧思惟阿弥陀仏坐像の開帳と抱き合わせにするか、7月いっぱいまでの俊乗堂開扉とセットにするか、秋のコスモスの時期に般若寺の寺宝展と組み合わせるか、悩ましい。。


 さて、晴天の連休真っ只中ともなれば、奈良の人出の多さは想像に難くない。東大寺方面に流れる人の波に乗り、奈良公園の一角で開催中の手造りアート&クラフト展をしばらくプラプラと冷やかしてから、おもむろに会場へと向かう。外気温がグングン上がったこんな日は、エアコンの効いた屋内での展覧会には恰好。先だってのNHKドラマ『大仏開眼』や遷都1300年祭との絡みもあり、さぞかし混雑していることと覚悟して出向いたところ、意外にも並ばずに入れる状況。やはり“遣唐使”というキーワードはちょっと地味なのかな。。
 

 しかし展示品は実に見応えがあった。遣唐使の歴史と、入唐して帰国した人々が持ち帰った文物やその後の活躍を経糸に、所縁の品々、往時の唐の文物など、幅広い一級資料を一堂に集めての展示は実に多彩。呼び物の8世紀唐時代の観音菩薩像(ペンシルバニア大学博物館蔵)と薬師寺聖観音菩薩立像の並列展示や、ボストン美術館から出展された「吉備大臣入唐絵巻」のみならず、数多の仏像や仏龕、経典その他の文書類、遺物の数々には圧倒される。
 音声ガイドを使う習慣がないので自分たちのペースで流してしまったが、こんな展示こそ音声ガイドを使って基本情報を耳から入れながら観ると良かったか、と、後からちょっと後悔。6月20日まで開催されているから、再度観に行く?!