今宮祭神幸祭と大徳寺塔頭特別公開



 連休最終日。今日はさすがに休息日ということで、朝から家事を片付ける。シーツとタオルケットを洗い、ベッドパットを叩いて寝具の手入れ。連日の奈良行きで酷使した革靴や、普段よく履いている通勤靴も磨かなきゃ、と準備をして声を掛けたら、連れが機嫌良く作業を始めてくれた(年末に手ほどきをした甲斐があった)。
 案外さっさと片付いて、午前中に終了。お天気も良いことだし、散歩がてら、大徳寺で開催中の非公開文化財特別公開に出掛けることにした。


 まずは腹拵え。久しぶりに西陣の蕎麦の名店、「にこら」に立ち寄る。ここを訪れるときは若干の覚悟が必要だ。ゆっくり過ごす人が多くて回転が悪いのはいつものこと。客あしらいの手際も決して良いとはいえず、さらに単価が高い……。それでも、こだわりの10割蕎麦は確かに美味しく、杏仁豆腐は絶品なのだ。


 智恵光院五辻上ルの「にこら」から千本今出川まで戻り、206系統で大徳寺前へ。下車すると、絶妙のタイミングで今宮際の神幸祭に遭遇! 大徳寺門前のここ、北大路大宮の交差点で行列は右折して大宮通へ入る。その絶好のロケーションでしばし見物。気温30度を超えたこの日、人も牛車を牽く牛も大変だ。







 行列を見送ると、まずは大徳寺本坊へと向かった。次いで真珠庵、玉林院と巡る。



 非公開文化財特別公開は、(財)京都古文化保存協会が毎年春と秋に開催している。内部に入ると文化財保護のため、全ての手荷物を預けて観覧する。この手荷物管理や、要所要所で行われる解説を担当していたのは、立命館同志社京都産業大学の歴史や古文化関連の部に在籍している学生さんたちだ。


 禅寺のこと、建築と庭、それに若干の障壁画くらいしか見るものはなく、それだけに建物内部の空間に身を置き、石庭にゆっくり向き合って禅の心に触れたいところ。しかし解説を聞いては先に進み、次の担当のスタッフがバトンタッチ式に解説を始めるというパターンのため、自分たちのペースで巡ることが難しいのが残念。


 因みに拝観料は「各々」800円(!)。塔頭自体はわりと小振りなところが多いので、くるっと廻って若干の説明を聞いたら終わってしまう。今日は“この際だから”と大仙院にも立ち寄り、抹茶もいただいたので、しめて1人3,000円である。文化財保護のための負担とはいうものの、このご時世、果たして「応分」と言えるのか、やや疑問。