京都国立博物館の『The ハプスブルク』展



 数日ぶりに天気回復。洗濯物を干してから、京都国立博物館で開催中の『The ハプスブルク』を観に出掛ける。206系統のバスで京都駅を回り込み、「博物館三十三間堂前」まで一本なので便利。
 行列は心配したほどではなく、昼前の段階で10分も待たずに中に入れた(午後、出てきたときには行列なし)。コインロッカーが本館の外に設置されている模様で、この寒空のため実質使えないのが残念。現在平常展示館が建替工事中なので(2013年完成予定)、こちらがオープンすれば館内にもロッカーが設置されるのだろう。
 最初の展示室には、明治天皇からフランツ・ヨーゼフ1世に贈られたという画帳と蒔絵棚が特別出品されている。それからジョルジョーネ、ティツィアーノ、ラファエッロといったイタリア絵画、ベラスケス、ムリーリョ、ゴヤエル・グレコ等のスペイン絵画、ハプスブルク家ゆかりの人々の肖像画と続き、デューラーなどのドイツ絵画、ヴァン・ダイクをはじめとするフランドル・オランダ絵画、最後は美術収集室(クンストカンマー)の工芸品である。多くはウィーンの美術史美術館とブダペスト国立西洋美術館の収蔵物だ。16〜17世紀に描かれた作品が、今なお美しく受け継がれていることに感銘を覚える。王家の人々の肖像画、中でも女性たちの絵は大層華があり、多くの観覧者を釘付けにしていた。


 ところで、Twitter経由で国立博物館に友の会があると知り、帰りにインフォメーションに立ち寄って尋ねてみた。
 東京国立博物館が募集している友の会は年会費10,000円で、特別展鑑賞券が12枚付く(東京・京都・奈良・九州4館共通観覧券6枚と、東京のみ有効な観覧券6枚)。平常展は何度でも可だ。それほどは行かない、という向きには年会費4,000円で「パスポート」というのがあり、平常展はいつでも入れて、かつ4館で開催される特別展6回分の鑑賞券が付く。同様の友の会を実施しているのが九州国立博物館だ。東京・九州いずれも、10,000円の友の会会員に発行される特別鑑賞券は本人でなくても使え、家族や友人と利用することもできる。
 対して京都国立博物館奈良国立博物館で募集している友の会は、年会費3,000円。平常展に加え、特別展6回分が無料となる(4館共通ながら、東京と九州については1回ずつ、もしくはどちらかで2回の制限あり)。細かい付与特典については省くが、京都住まいの身としては、京都で行われる特別展1回と奈良の正倉院展を観ればもう元が取れることになる。さらに、インフォメーションの女性も確証がないようだったが、特別展6回分が“鑑賞券”として発行されるのなら、連れと一緒に鑑賞することもできる。そうなれば、早い話、一般入場券1,500円の今日の『The ハプスブルク』を二人で見ただけで元が取れる勘定になる――いや、「年間パスポート」と記載されているから、やっぱり一口の入会に付き一人だけかな……。
 ちょっと欲の皮が突っ張っちゃったけど……。まあ、京都に住んで、奈良は日帰り圏内、年間数回は東京にも出掛けるとなれば、都合の良い制度ではある。


 帰りは京都駅で下車して、七条のラーメン屋「第一旭」で昼食。黒いスープが有名な「新福菜館」の隣だ。奇を衒わない、ラーメンらしいラーメンで満足。。その後、駅の伊勢丹で追い込みの「サロン・デュ・ショコラ」を冷やかす。先日高島屋で売り切れだった、ジャンドゥーヤで有名なイタリアのCaffarel(カファレル)のリバイバル缶を購入し、帰宅。
 美術に限らず、良い芸術作品に触れると何となく満たされた気分になる。今日も良い一日を過ごせたことに感謝。。