思索

おばあちゃんってどんな人……

取るものも取り敢えず東京入りしたその日、叔父宅に安置された祖母と対面した。2日後通夜、翌日告別式……。祖母の姉妹たちをはじめ甥姪など姫路勢総勢7人も、納棺の前に間に合って駆けつけてくれた。 明治45年、兵庫県姫路の郊外の村で生まれた祖母は、15の年…

母方の祖母がみまかりました

97歳、明治45年生まれの偉人でした。凄絶な人生を生きた人でした。子供たちに尋常ならざる愛情を傾け、私たち孫も大層かわいがってくれました。ごく最近になって物腰も柔らかくなり、穏やかな人になりましたが、長い年月ものすごいエネルギーで他を圧倒する…

“バッグ好き”の事の始まり

人生がある意味「花開いた」のは、思えば新卒で入社した会社を10年で退社した後のことだ。 仕事は好きだったし、会社員としての生活も満喫したけれど、何事も仕事中心のミニマムな生活だった。器用な人は仕事をしながらでもマルチに人生を楽しみ、またそれを…

哲学談義の一夜

一昨夜、ちょっと呑み過ぎてほろ酔い加減でいい気分の連れ合いと、ひとしきり宗教談義・哲学議論に花を咲かせた。信仰とは何か、そも幸福とは、祈りとは何ぞや、輪廻転生・因果は存在するか――この類の壮大なテーマについて、卑近な二人が侃々諤々議論を戦わ…

うららかな日に・・・

ぐずついていた空もようやく機嫌を直したようで、暖かい一日であった。昨日の節分、節分会に出掛けて恵方巻をかじる、という目論見は実現しなかったけれど、帰宅した連れ合いと自宅で豆撒き。そして今日、『春はこうでなくちゃ』と言わんばかりの好天である…

「老い」を迎え始めた両親へ

父方の祖母は認知症を患って亡くなった。認知症というのは残酷だ、とそのとき思った。本人にとってもだが、周囲にとっても、そのプロセスを受け容れるのは容易なことではない。まだ人間的に幼かった私は、その介護のフェーズを傍観することしかできなかった…

何故にこんなに?! 本屋密集の不可思議

雑誌を買いに出掛けた。徒歩で1分と掛からない、千本通の反対岸に向かう。太秦のときは近隣に本屋が無く、「太秦映画村道」のバス停脇にあるTSUTAYAまで自転車で10分も掛けて行かなければならなかった。 『さて、どの本屋に行こうかな?』と一瞬迷う。という…

初夏の空気に包まれて

重い腰を上げて、車で手近のスーパーまで買出しに出かけた。ここ数日、どうしても外出したくなかったのだが、水の買い置きが底を付いてしまい、いよいよ出掛けないわけに行かなくなったのだ。気が萎えているとき、車の運転はしたくないものだ。この町では尚…

行き場のない自分が蹲る

須賀敦子―霧のむこうに (KAWADE夢ムック)出版社/メーカー: 河出書房新社発売日: 1998/11/01メディア: ムック クリック: 6回この商品を含むブログ (10件) を見る 友人のTさんが貸してくれた本を読んでいて、人生の果てに行き着くところのある人のことや、行き…

暖かな風に包まれて

気候が随分、穏やかになってきた。まだカーディガンは必要だが、日中陽が射すと気温もぐっと上がるようになり、肌に当たる空気が暖かい。ベランダに出ていると心がスッと鎮まり、さらさらと流れていく時間の砂粒を数えられるような気さえする。 以前はいつも…

心満たされる日々に向けて

無我夢中でひた走っている時期は、ある意味幸せだった、と今にして思う。同時に、“人生はまだ始まってなかったな”とも思う。押し流されてきた潮流から外れたとき、人は初めて自分の「レゾン・デートル」と正面から向き合わざるを得なくなる。そして、それま…